2017-01-01から1年間の記事一覧

For Unto Us A Child Is Born

Wish you a merry Christmas and happy holidays! 毎年私の好きなクリスマスソングをお届けしています。 ヘンデルのメサイアはすでに2014年に紹介しているのですが(Messiah - Cask Strength)、残念ながら動画は削除されてしまったようです・・・。そこで、…

復は、亨る。出入疾なし。朋来りて咎なし。往くところあるに利あり。

冬の真っ盛りですが、冬至から一日経ち、着実に春に向かってみな歩みだしている。 復、亨。出入无疾。朋来无咎。反復其道、七日来復。利有攸往。 (『周易』復) その一方でまだ秋の風情が残っているところも!

柿の精(2)

(成熟した柿太郎! - Cask Strengthを受けて。なお、(1)は柿の精 - Cask Strength) ? 「ご主人、ご主人、起きてください」 オレ 「・・・む・・あ、君は!」 ? 「覚えていらっしゃいましたか・・!」 オレ 「柿太郎!久しぶりだね!」 柿太郎「夢のなか…

成熟した柿太郎!

拙ブログを定期的に御覧になっている方々にはすっかりおなじみの柿太郎。昨年初めて結実したときは感激しましたが(柿六年 - Cask Strength)、残念ながら熟す前に落果してしまいました(柿太郎の実・続々報 - Cask Strength)。 しかし!今年は、遂に、一個…

本棚メモ

またまたご無沙汰してしまった「本棚メモ」です。本来であれば今回はイの一番に『新字源』(改訂新版)を挙げるはずなのですが、TL上のツイートを目にしてペンディング状態に・・・w六朝言語思想史研究作者: 和久希出版社/メーカー: 汲古書院発売日: 2017/0…

「競争から共送へ」

以前も書きましたが(封筒型クリアフォルダ - Cask Strength、語学教師にとっての秋の風物詩 - Cask Strength)、この季節、外国語科目を担当する教員のもとには教科書の見本がどさっと送られてきます。 もう来年度のことを考えなければならないのか・・・と…

「我は信ぜず」とよめとでも?

フォロワーさんの引用RTで見かけたのですが・・・ window.twttr = (function(d, s, id) { var js, fjs = d.getElementsByTagName(s)[0], t = window.twttr || {}; if (d.getElementById(id)) return t; js = d.createElement(s); js.id = id; js.src = "http…

本棚メモ

2017年度に入ってから当社比数倍の忙しさになり、本棚に入れたい新刊書リストの更新を怠ってきましたが、新刊をチェックしないのは自分のためにもならないので、新学期開始も近いですし、再開します。これからは本棚に「飾る」だけでなく、なるべく「読む」…

ショウリョウバッタ(精霊バッタ)

結構大きいショウリョウバッタがいたよー。 材木の上で一休み。 名前の由来を調べたところ、『日本国語大辞典』は「精霊(しょうりょう)の名は、盆のころに墓地でよく見られるところからという」(ただし、語源説欄にはこの説は見られず、『言元梯』の「セ…

「毛を茹(し)く」

いつも楽しく拝読しているなぶんけんブログ。「茹でる」のナゾ - なぶんけんブログもおもしろかったです。 儒家経典の『礼記』では「飲其血、茹其毛=まだ火を使えない頃の人類が肉を生で食べる様子」というかなり血なまぐさいイメージで使われています。 こ…

ニオイバンマツリ

近所のインドカレー屋さんに行く途中のマンションの植え込みに生えていたよ! 近づくと芳香がふわーっと漂いました。源平桃のように紫の花と白い花が咲き分かれているのではなく、花は咲き始め濃い紫色で、次に薄い紫色、最後は白色になるとのこと(ニオイバ…

ミョウガが出てきたよ

庭に植えたミョウガの可食部が地表に姿を現わしたよ! ああ、はやくこの子たちを収穫して、大葉とともに冷や奴の上にどっさり乗せて、ビールか冷酒とともにガーっと食いたい。 ところで、ミョウガとショウガの違いについて、『傍廂』が珍説を唱えていたので…

Caskは13歳!もう中学生です!

(昨年)Caskが12歳の誕生日を迎えました - Cask Strength Caskも中学生、というか、よく考えたら中学2年生ですよね・・!うーむ、ここまで来たら、少なくとも義務教育が終わるまではCaskを書き続けなくては!(←なぜ) さて、2016/2017シーズンの総集編です…

初めての普通列車グリーン車(快適!)

今日は公務でちょっとした遠出でした。目的地は電車で1時間45分ほどの距離・・・。この路線は昨年まで週に一回通勤に利用していたので、ここのラッシュアワーの過酷さは身に染みていました。仕事をする前から疲れ切ってしまわないかと心配していたのですが、…

モノが動かなくなる日

船や飛行機を女性の三人称で呼び、車や機器にヒトのように名前を与えて、普段と挙動が異なるときは、どうしたんだお前調子悪いのか?と撫でつついたわり、オレらが切羽詰まっているときは少しイライラしながらも、がんばれ頼むよと励まし、それでもいよいよ…

「下紐につけたる草は名のみして・・・」の、下紐につけた草の正体

下紐につけたる草は名のみして心に離れぬ人の面影 (『為相卿百首』、下紐につけた草は名ばかりで、私の心から離れない人の面影よ) この「下紐につけたる草」とは何か、答えよ。(配点10点) こういうのは、大学4年生とか大学院修士課程に入ったばかりの院…

七夕伝説は奈良時代以前に伝わっている(たぶん)

やあやあ、今日はちょっと歯切れが悪いよ! 【越山若水】七夕伝説は奈良時代に中国から伝わった。 http://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/213532 いや、もっと早くから伝わっている(はず)。 『万葉集』巻10の1996歌以下に七夕歌がまとめられていて、20…

しもつけの花にまつわる説話の謎

しもつけを買ってきましたー。愛らしい、とても清楚な白い花。 しもつけは以前も記事にしましたので、よろしければ御覧ください。→「さてさてこの野州はやういかり参らせたよ」 - Cask Strength 某資料館にはもうほとんど行かないので確認できませんでしたが…

中国人が初めて読んだ「和文」の文献は何だったのか

先日来、明の時代の貴族が『源氏物語』を読んだ云々というツイートが話題になりました(残念ながら、その元のツイートは削除されてしまいました)。 『源氏物語』が大陸に輸出され、それを明人が読んだとは到底考えられないのですが、そもそも前近代の中国人…

今日は「黄梅雨」「濯枝雨」の一日

台風襲来のような一日でしたね! 今日は夏至。夏至の日に降る雨を「黄梅雨」と呼ぶのだと周処『風土記』は言っています。 夏至之日雨、名為黄梅雨。沾衣服、皆敗[黒+宛]。 (『太平御覧』巻23。「夏至の日の雨、名づけて黄梅雨と為す。衣服を沾し皆敗[黒+宛]…

ルリマツリ(瑠璃茉莉)

散歩中にルリマツリが咲いているのを見かけました。 キレイに写真が撮れたー(∩´∀`)∩ これはつぶやくだけではもったいないということで記事にしましたw いや、実は、高台の上に建っている御宅から長く垂れさがっていたのが圧巻で、その遠景の写真も撮るべき…

不安だらけの神埼市「千字文モニュメント」

市では、「王仁天満宮」と刻まれた石祠に着目し、5世紀の初め百済から日本へ論語と千字文を伝えた、古事記や日本書紀にも登場する「王仁博士」の歴史遺産(夢資源)として捉え、古代からつながる歴史のロマンを体感できる新たな観光施設として、市民とともに…

過目抄ブックマーク数10000突破記念(3)

過目抄ブックマーク数10000突破記念(1) - Cask Strength 過目抄ブックマーク数10000突破記念(2) - Cask Strength 最後は「これはもっと世間に知られていい」ネタ。まだ1〜3users程度しかブクマされていないものから厳選してお届けします。 window.twttr = (f…

過目抄ブックマーク数10000突破記念(2)

過目抄ブックマーク数10000突破記念(1) - Cask Strength (2)はツイートを通じてのクリック数ランキング・トップ10です。1位は現時点で566clicks(「日文研30周年特設サイト|ソビエト時代の日本史(井上章一教授)」)でした。 毎回同じことを書いていますが…

過目抄ブックマーク数10000突破記念(1)

遂にブクマの総計が10,000を突破しました!2009年9月10日から7年9か月でこれだけの数を積み上げたことになります。感慨深い・・・ まとまった時間ができたら「特別企画」もしたいところですが、とりあえず、例のように直近1000ブックマーク(9001〜10000)の…

源順と「紫陽花」(授業のネタに使える話)

私たちに馴染みのある『紫陽花』という表記になったのは、平安時代のことです。学者であり歌人の源順(みなもとの したごう)は、中国の白楽天の詩を読んだ際、その詩に記されている『紫陽花』と、日本でよく知られるアジサイが同じものだと考えました(実際…

ボイセンベリー初収穫

(ボイセンベリーの実 - Cask Strength) ↓昨日の段階での実の様子 もう大丈夫だろう、と摘み取ってみました! あの「いみじううつくしきちごのいちごなど食ひたる」(『枕草子』「あてなるもの」段)の「いちご」もこんな感じだったのではないでしょうか! …

五畿内の国々を挙げるときの順序

こんなツイートを目にしました。 window.twttr = (function(d, s, id) { var js, fjs = d.getElementsByTagName(s)[0], t = window.twttr || {}; if (d.getElementById(id)) return t; js = d.createElement(s); js.id = id; js.src = "https://platform.twi…

「おもう」「思う」「想う」

いつも楽しく拝見している毎日ことばですが、今回の「なぜ新聞は「想う」を使わないか」と題する記事には少し「おもう」ところがありました。 「想」はかつての当用漢字表でも今の常用漢字表でも「ソウ」の音読みだけが掲げられています。常用漢字表は201…

「引用」と判定すること

ある文章がほかの文献の直接引用であると証明することは結構難しい。別の文献の孫引きだという可能性が常にあるからです(参照、出典論 - Cask Strength)。 しかし、今回報道された、出雲市の波迦神社の棟札に『出雲国風土記』の「引用」が見られるという一…