出土した中世のくつわと絵巻に描かれたくつわ――付・『マルチ言語版 絵巻物による日本常民生活絵引』

 まずは、「後三年合戦絵巻」を御覧ください。 後三年合戦絵巻 - e国宝 馬が何頭も出てきますが、そのくつわに注目。
 ↓この子がわかりやすい。

そうすると、この記事も合点がいくでしょう。

絵巻物に描かれた中世のくつわが初めて出土 滋賀・天神畑遺跡

 滋賀県高島市の天神畑遺跡で、平安時代後期から鎌倉時代初期に武士が騎乗した際に使ったとみられる轡(くつわ)が出土し、県文化財保護協会が21日、発表した。中世の武士が使ったとみられる轡の出土は初めて。(中略)出土した轡は鉄製で幅約23センチ。中世の絵巻物に描かれた武士が馬に乗って使うイチョウや杏の葉型の杏葉轡と形が似ていたことから時代を推定した。

http://sankei.jp.msn.com/life/news/110721/art11072119530006-n1.htm


 絵巻といえば、あの不朽の名著というか歴史研究者なら必ず持っている『絵巻物による日本常民生活絵引』の英語版が現在刊行中なのです(あまり知られていないことですが)。今年の3月に待望の第3巻が出ました。

(『マルチ言語版 絵巻物による日本常民生活絵引 第3巻(本文編)』134頁)
 日本文化の国際発信に大いに役立つものとして記憶しておきたい、大変な労作です。
 研究成果報告書 - 神奈川大学 21世紀COEプログラム