「そば屋暖簾に見る変体仮名の誤用」

 高城弘一氏「そば屋暖簾に見る変体仮名の誤用」(國學院大學文学部書道研究室『若木書法』11号、2012年2月)がちょっと面白かった。

 上から2番目は「おばそ」になっていて(変体仮名を学ぶ─お蕎麦屋さん ( 習いごと ) - 伊勢物語と仁勢物語 - Yahoo!ブログ ここも)、3番目はいちばん左の字が「き」の反転文字(鏡文字。店内から見た暖簾が上から4番目)。(63頁)この図3の暖簾がかかっている蕎麦屋の店主に質問したところ、

ちなみに、店主に暖簾の字のことを伺ったが、なんら頓着していなかった。

(同頁)というのは、さもありなん、という感じでして、

ともあれ、今回の誤用は、何となく書かれている符号として捉え、文字という認識の薄弱による結果で、現状としても誤ったままそば屋の店先で使用されているのである。

(同頁)
 デタラメな日本語の文章が書かれているTシャツを着た外国人を笑えませんな!