柿の精(2)

 (成熟した柿太郎! - Cask Strengthを受けて。なお、(1)は柿の精 - Cask Strength
?  「ご主人、ご主人、起きてください」
オレ 「・・・む・・あ、君は!」
?  「覚えていらっしゃいましたか・・!」
オレ 「柿太郎!久しぶりだね!」
柿太郎「夢のなかとはいえ、今年もお会いすることができて、とても嬉しいです。そして、無事に大人となったことをご報告いたします」
オレ 「大人?」
柿太郎「昨年はまだ童子でした」
オレ 「そう言われてみると、体つきも大きくなって、そしてこの鮮やかな赤い装束・・とても立派だ、柿太郎!」
柿太郎(涙をぬぐう)「ひとえにご主人のおかげです・・・。イタヤ狐殿とともに末永くご主人をお守りいたします。あの実が私の忠誠の証です。どうぞ私の誓いのことばをお疑いなさらぬよう」
オレ 「『あの実』?・・・あ、なるほど!」

(「詞不可疑」)*1

*1:http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2559242/61 参照、太田晶二郎「「渋柿」の題意」(『太田晶二郎著作集 第二冊』吉川弘文館、1991年。初出、1953年)。