アマテル

 天照大神を「アマテラス」ではなくて「アマテル」とよんだ比較的古い例は、『更級日記』、『古今和歌集』仮名序の古注、『日本紀竟宴和歌』左注(↓画像)などがあって、平安末には普通にそう呼ばれていたのだとは思います。

(「あまてるおほかみ」、『本妙寺日本紀竟宴和歌本文・索引・研究』26頁)
 神話テキストの傍訓にも「アマテル」は見られまして、その古い例としては嘉禄本『古語拾遺』や兼方本『日本書紀』が挙げられます。いずれも鎌倉時代のものです。

(『国宝卜部兼方自筆日本書紀神代巻』15頁。右訓「アマテラス」左訓「アマテル」)

(『古代史籍集』431頁)