「以字」

ヤフーオークションに『法華経考異』という本が出ていたので何気なく見てみたらその第一丁に懐かしいものを見かけました。一部分だけでも書影を出してくれるというのはありがたいことですね。 http://page4.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/d200614454 妙法…

織田得能『仏教大辞典』を引く時の注意点

織田仏教大辞典作者: 織田得能出版社/メーカー: 大蔵出版発売日: 2005/04メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 今でも(漢訳仏典の)仏教語を調べる時に最初に引くのはこの辞書です(この次に、岩本裕『日本仏教語辞典』。中村元『仏教語大辞典』とか…

「生苦」と「未知生」

「玄関」(174〜177頁)が仏教語だとは気付きませんでした。仏教漢語50話 (岩波新書)作者: 興膳宏出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2011/08/20メディア: 新書 クリック: 14回この商品を含むブログ (6件) を見る それはともかく、「四苦八苦」(194〜197頁)…

「追善供養の意味をおしえてください」

追善供養の意味をおしえてください。 - 質問:追善供養の意味をおしえて... - Yahoo!知恵袋 がはてブのホッテントリに入っていますけど、この「ベストアンサー」の、 理由:切支丹禁制に当たり、幕府は切支丹の葬式を仏教に押し付け、教えがないのに追善供養…

『大乗起信論』――熏習

読書百遍義自ずから通ず、と言いますが本当にその通りだと思う。古典は繰り返し読んでこそ意味があります。大乗起信論 (岩波文庫)作者: 宇井伯寿,高崎直道出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1994/01/17メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 7回この商品を含む…

真・初心者のための仏教講座(6)

いよいよ最終回で、どの仏典を読むべきかというお話ですが、これは(4)で言及したように、宗派任せということになります。 そういうと何やら語弊がありますが、要するに、天台宗であれば「法華具経」と総称される『法華経』(開経の『無量義経』と結経の『観…

真・初心者のための仏教講座(5)

一般的な注意点の二つ目ですが、それは日本仏教の宗派*1についてです。 かつて日本は「八宗」と総称される宗派が朝廷の公認を受けていました。南都(奈良のことです)六宗(倶舎宗・成実宗・律宗・法相宗・三論宗・華厳宗)に、平安時代に公認された天台宗・…

真・初心者のための仏教講座(4)

さて、入門書の(というにはあまりにも高度ですが)『倶舎論』を学んだ後は、どの仏典を読むべきでしょうか。これもまた予告的にいえば、実は、ここから先は宗派任せのようなところがあるのですが。 そこで、まず、仏典を読む際の一般的な注意点を。たとえば…

真・初心者のための仏教講座(3)

『倶舎論』が重要だといっても、正直いって、これに全部目を通すというのはかなり難しいと思います。そこでお勧めするのは、長行の部分をとばして、頌の部分だけを読むということです。といっても、頌だけでもその数600あるので、一昼夜で読めるようなもので…

真・初心者のための仏教講座(2)

辞書を手にして仏典を読み始める段階に来ましたが、仏教哲学・世界観を学ぶためにはまずどの経典を読むのが良いのかといえば、それは『倶舎論』、正式には『阿毘達磨倶舎論』(唐・玄奘訳)から入門することになります。一種のファッションとして流行してい…

真・初心者のための仏教講座(1)

過目抄でも呆れ気味にブクマした http://hamusoku.com/archives/3553533.html ですが、大袈裟にいえば、わが日本伝統文化の危機だとも感じました。そこで、がらにもないことですが、古典的な(最新の教義研究とは全く関わらないことをお断りしておきます)仏…