『社長行状記』のワンシーンに登場する黄遵憲『日本雑事詩』の一首

1966年公開の『社長行状記』は森繁久彌主演のコメディ映画ですが、ずっと前に録画していたのを見ていたところ、そのワンシーンに目が釘付けに。 暖簾に書いてあるもの、何かよくわからないけれども、七言詩を読み下したものらしい・・?というわけで検索をか…

しもつけの花にまつわる説話の謎

しもつけを買ってきましたー。愛らしい、とても清楚な白い花。 しもつけは以前も記事にしましたので、よろしければ御覧ください。→「さてさてこの野州はやういかり参らせたよ」 - Cask Strength 某資料館にはもうほとんど行かないので確認できませんでしたが…

ザクロが咲いたよ 付・鬼子母神とザクロのこと

ザクロといえば実ばかりが注目されますが、 なかなか豪華でキレイなんですよ。 それで、ザクロといえば、その実が人肉の味に似る、子を喰らう鬼子母神に仏が生飯を与えてザクロで味付けした、などという民間伝承があるわけですが・・・(この説話に取材した…

日本書誌学大系『増訂 新編蔵書印譜 上 【ア〜ソ】』

『新編蔵書印譜』の増訂版が刊行されました。篆刻はロクに読めないくせにハンコが好きなので、楽しく拝見しています。 日本書誌学大系 増訂 103−1 新編蔵書印譜 上 ア−ソの通販/渡辺 守邦/後藤 憲二 - 紙の本:honto本の通販ストア 一、旧版はA4判一冊で…

「下絵万葉集切」

和様の美- かな古筆名跡便覧作者: 福井淳哉出版社/メーカー: 淡交社発売日: 2013/01/31メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る 2月に刊行されたガイドブック『和様の美――かな古筆名跡便覧』を下調べのために拝読していたのですが、117頁下段〜11…

「蹄」の古訓「ツマフサ」

平安時代の佛書に基づく漢文訓讀史の研究〈3〉初期訓讀語體系作者: 小林芳規出版社/メーカー: 汲古書院発売日: 2012/03メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る ↑をつらつら読んでいたところ、第十章「平安初期における訓読語の変移」(初出1998…

(い)…(ろ)…(は)…、と箇条書きで列挙する際、(す)…の後に来るもの

『解体新書』を調べる必要が出てきて、このたび初めて目を通したのですが、本旨と関係ないところで面白いことに気づきました。日本思想大系〈65〉洋学 下(1972年)出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1972メディア: ? クリック: 1回この商品を含むブログを見る…

特別読切・黒鉄ヒロシ「伊勢物語」(『ビッグコミック』2013年2月25日号)

黒鉄ヒロシが雅な「伊勢物語」読み解く、ビッコミ読み切り 「赤兵衛」の黒鉄ヒロシによる読み切り「伊勢物語」が、本日2月9日に発売されたビッグコミック4号(小学館)に掲載されている。 http://natalie.mu/comic/news/84624 早速買ったよー。とりあげられ…

ボルドー

今年もワインの調達をすることになったのですが、毎度のことながらウイスキーとビール以外のアルコール類に疎いので、店員に「予算ゴニョゴニョで赤を3本ほど・・・」と丸投げ。 ピックアップしてもらったのが以下のものでした。 曰く「全て値段以上の味です…

12個の頭を持つ天皇と11個の頭を持つ地皇

ベツォールドコレクションの『三皇五帝絵巻』 http://hollis.harvard.edu/?itemid=|library/m/aleph|012748870 不思議な絵でして、中国古代の伝説上の王である「三皇」(どの三人の組み合わせを「三皇」とするかは諸説あります)のうちの二人、「天皇」と「…

あと一冊で完結するシリーズ

あらかじめ刊行予定が公表されている素晴らしい叢書が未完のままで時が経過していくのは、なかなか残念なものです。吉川弘文館さんの「日本歴史叢書」シリーズや、平凡社さんの「絵は語る」シリーズのような。 (この後四頁にわたって書目が続き、最後には「…

京都大学図書館蔵(平松文庫)『三体詩』が『三体詩』ではない件

http://m.kulib.kyoto-u.ac.jp/webopac/ufirdi.do?ufi_target=catdbl&ufi_locale=ja&pkey=RB00006443 「高士奇」編とあるので、高士奇注『三体詩』(『三体唐詩』)のことかと思ったら中身は全然違いました。 http://edb.kulib.kyoto-u.ac.jp/exhibit/h570/i…

ヤブラン――古語では「やますげ」?――が咲いたよ

先ほど覗きこんだら雨どいの下にいるヤブランがちょうど開花していたよ。 うちの子は淡紫ではなくて白い。 可憐な花なので先人も愛でたであろうと思うのですが、古典時代に何と呼んでいたのかがはっきりしない。『枕草子』「草は」の段にも登場する「山菅」…

琉球の船が運んでいた書籍(「『耽羅紀年』に見える琉球関係記事」)

済州島の歴史・地理について記録した書『耽羅紀年』(金錫翼著、1918年刊)の名を知ったのは、金関丈夫「『耽羅紀年』に見える琉球関係記事」(『琉球民俗誌』法政大学出版会、1978年。初出1956年)によってでした。 清朝に入って、次の記事がある。 庚戌、…

連歌の上賦・下賦――日国の記述をめぐって

昨日古本屋で購入した伊地知鉄男氏『連歌の世界』(吉川弘文館)を斜め読みしていたところ、賦物(ふしもの)の説明の箇所で、 賦物連歌 単式(上賦・下賦) 何路 何木 何人 何船…… (何が上についたものを上賦) 山何 朝何 夕何 花何…… (何が下についたも…

幼名

司馬相如は幼名を「犬子」といい、揚雄の子は「童烏」、王彭之・王彪之の兄弟は「虎豚」「虎犢」・・・(陸亀蒙『小名録』、『説郛』所収) 昨日の話の続きですけど、幼名として動植物や賤しい名をつけるという風習が日本や中国にあります(『沙石集』の例も…

ムクゲの早咲き

この二輪だけが一足先に咲いた。 「宗旦」という品種ではないかと思うのですが(←いい加減)実はよくわからない・・・御存知の方は御教示を。

『筆禍史』

宮武外骨『筆禍史』は、扱っている時代が自分とはあまり関係ないものだと思って(思いこんで)いたので、今まで目を通すことはありませんでした。とある事情で参照を要することが出てきたため、手にしてみたら(1926年改訂増補版)たしかに本編中はほとんど…

築島裕氏ご逝去――『平安時代の漢文訓読語につきての研究』のこと

築島裕さん85歳(つきしま・ひろし=国語学者、東京大名誉教授)11日、盲腸がんのため死去。葬儀は近親者で済ませた。喪主は妻絢(あや)さん。 漢文訓読をはじめ平安時代の言語体系の研究で知られる。著書に「平安時代の漢文訓読語につきての研究」など…

過目抄について不思議なこと

少し前から気付いていたことではあるのですが。 はてなブックマーク - consigliereのブックマークでYouTubeの動画をブクマすると、しばしば b:id:sugowwww さんが私の直後にブクマするのですが、本当に時間差のない直後なのです。 10:34の私の投稿に対して10…

徒然草

枝葉末節レビューしばらくお休みしていました・・・。徒然草 (ちくま学芸文庫)作者: 島内裕子出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2010/04/07メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 20回この商品を含むブログ (12件) を見る 各段最後の「評」では(中略)後世の文…

今年の曲水の宴の題「寄衣恋」の「衣」

記事では「衣」を「きぬ」と読んでいますが。 ゴールデンウイーク初日の29日、京都市伏見区の城南宮で、平安時代の貴族の衣装を着た歌人らが、庭園の小川のそばで歌会をする「曲水の宴(うたげ)」があった。琴や笛の調べが流れる中、約2000人の参拝客…

松に鶴(3)

松に鶴は画題として定着していますが、まだ目にする機会のない作品が一点あります。 朽木家となん、探幽が画ける松に鶴とやらんの重器あるよし。右時代に素人にて久須美六郎左衛門といへる名人の画書ありしが、朽木に於て探幽が書る松に鶴の絵をみて、「面白…

北海道カクテル 

先日ローソンで、北海道麦酒醸造が出している「北海道カクテル りんご」「北海道カクテル ブルーベリー」という酒を見つけたのですが、この商品に関する情報がほとんどありません。ご存知の方がいたらご教示お願いします(新製品なのか、ほかにラインナップ…

淳祐

ちょっと調べ物していたのですが、人名の読み方は厄介ですね・・・。 「じゅんゆう」 (『総合仏教大辞典』) 「しゅんゆう」 (『国書人名辞典』) 「しゅんにゅう」 (『国史大辞典』) 『日本往生極楽記』や『古事談』、『平家物語』にも登場する高僧です…

不具合

Firefox では問題なかったのですが、Internet Explorer で閲覧すると、サイドバーに設置したGoogleガジェットのタイトルが文字化けしていたり、「今日は何の日」に至っては、本文が空白のままになっていたりしますなぁ・・・。で、ページをリロード(更新)…

便所の落書き

この名文句に出会うのはこれで二度目。以前、出典を調べようと思っていて、すっかり忘却していたものが眼前にありました。 トイレは思考と空想の場である 改めて読み返してみて、やはり感心しますw タダの素人の作とはとても思えない。しかし、今になっても…

Dubai Meeting

今年はラジオNIKKEIも中継をしないようなので、グリーンチャンネル未加入の私らはどうすればいい?海外かどこかでネット中継しているサイトの情報提供を強く希望します9z*1 Godolphin Mile の発走(日本時間22:40)まで残りわずか。 今年も相変わらず、ダー…

飲んだ缶系アルコール飲料(月イチ企画)――それと、アセロラのこと(再び)

ちょうど前回の記事から一ヶ月ですね。 沖縄アセローラ(サントリー) 沖縄シークヮーサー(同上) カクテルパートナー 梅さらら カクテルパートナー 桜ふわり 旬果搾り とちおとめ ギュギュッと搾った。 白桃(メルシャン) ギュギュッと搾った。 巨峰 ギュ…

小ネタ2題

今日はアメリカから一時帰国してきた悪友とランチをともにし、またもや他愛もない小ネタを仕入れてきました。 その1 「ねずみ男ってのは、ありゃハンガリー出身だよ」 「喧嘩はよせ。腹が減る」などの名言からして奴はタダ者ではないと思っていたが、渡来種…