イハナガヒメ


星野之宣「忌部神奈・女の神話シリーズ・最終回 花と磐」(『ビッグコミック』8・17増刊号)



忌部神奈のセリフ

 イワナガヒメといえば、各地の浅間神社の中にはコノハナサクヤヒメではなく、この醜い姫を祭神としている所もある。
 正反対だけど、この二人には何か強い関係が潜んでいるのかもしれないわ。
 「播磨国風土記」には、地元の英雄神“伊和大神”の妻としてコノハナサクヤヒメの名が記されている。
 こんな所に名前が出てくるのは奇妙だけどもしかすると“イワ”大神だからコノハナサクヤヒメをという連想が働いて作られた話かもしれない。
 つまり“イワ”と“ハナ”は、姉妹関係以外でも常にセットでイメージされていたのかもしれないのよ…!

「岩」(磐)は、「イハ」  「伊和」は、「イワ」
奈良時代にはハ行転呼音は起こっていないから(「閏八河」「潤和川」が例外だといわれるけど)、神奈さん、申し訳ないけど「伊和大神」を持ってくるのは筋違いです。