「座談会 万葉集研究の現在」(『リポート笠間』46号)

最近本を買っていないので *1笠間書院さんから『リポート笠間』を送ってもらえなくなりました・・・。orz
座談会のメンバーは古橋信孝氏(司会)・阿蘇瑞枝氏・坂本信幸氏・佐佐木幸綱氏・山口佳紀氏。いろいろと考えさせられる御発言が多々ありますが、本筋とは離れたところで一点だけコメント。

佐佐木  ・・・(中略)・・・現代語で古語が引ける辞典というのはないのですね。
古橋  国語学の人と、二人で作ろうとしたのですけどね。
佐佐木  ぼくは欲しいですけどね。この間、講談社から『類語大辞典』が出たでしょう。その書評で、古語・雅語が引ける類語辞典がほしいと書いたら、編者から手紙をもらいました。全く考えなかったって。
古橋  われわれの企画は歌人の、編集に高野さんが絡んでいて、そのとき河出の編集者だったから。で、彼が担当でね。彼辞めちゃったからそのままとんじゃった。

私が日頃から愛用している、

がありますが、いかがでしょうか。もちろん、「古語の採録は高校生用の古語辞典数冊を基礎として」(【編者のことば】(6)頁)ですから、もとより不完全なものですが、歌作などには十分役に立ちます。どこを引いても面白い辞書なのですが、例えば、「きつね」を引いて

いがたうめ[伊賀専女] きつ・くつね[狐] たまどの[玉殿] やかん[野干・射干]

「いがたうめ」や「たまどの」が出てくるのは、ちょっと嬉しいじゃないですか。

*1:今度、小峯和明『院政期文学論』(笠間書院 2006年)でも買いますかね・・・。978頁!