少し困る影印本
CiNii 図書 - 京都国立博物館蔵『本朝文粋巻第六』 ; 大谷女子大学図書館蔵『新撰字鏡類韻』
拝読にあたってパラパラとめくったところ、また軽い違和感が・・・
なんとはなしに、読みづらくありませんか(頁数と行数に注目)?そう、これはあの時感じた違和感にそっくり・・!(参照:中国で刊行された論語の影印本の体裁がおかしい - Cask Strength)
この影印を見ようとする時は本を右に90度回すことになるわけですが、そうすると、まず下に来る頁(今回でいえば10頁)を見てから上の頁(11頁)を見ることになる。本来であれば、同じシリーズの、
CiNii 図書 - 道明寺天満宮蔵『新撰万葉集』
のような体裁が望ましいのは当然のことです。
しかし、これは意図的なものではなくて、うっかりミスの一つでしょう。そして、うっかりだとすれば、こういったことはいつか私たち自身もやりかねないということを意味します。
私たちは、職業柄、校正には細心の注意を払います(それでもミスは免れない)。しかし、組版や製本といったところまではなかなか気が回らないものです。基本的には出版社、印刷所任せでいいとは思うのですが、油断すると上記のようなことも起きるし、たとえば以下のようなことも起きます。
(のどの部分が読めない・・・!書名は伏せます)
公刊される以上は編著者はこういったことにも責任を持つ必要があると感じた次第です。