国語に関する世論調査 「姑息」「憮然」7割が誤使用


文法とか語義というのは、発信者と受け手との間で成り立つルールなので、そこに誤解さえ生じなければ、そんなに目くじら立てることではないだろう・・・と思う。
ここに挙げられている例でいえば、「姑息」に関しては、確かに、ずっと前にどこかで「非常に姑息な手段」うんぬんという言い方を耳にして違和感を持った記憶がありますが、「卑劣な」という意味合いだということは文脈でわかることだから、今ではまったく気になりません。
こういう議論は、いつか自分の首をしめかねないわけで、意味が通じない・誤解を招くということでない限り、なにが正しい用法で、なにが誤用でと鬼の首をとったようにいうのは(専門家でない限り)感心しません。
例えば、「弱冠」はちょうど20歳を指す(ちょうど20歳じゃなきゃダメ)、という説が世の中に蔓延していますが、これ、大嘘。
18歳や22歳を「弱冠」と呼ぶ例が『文選』に収録された作品に出てきますし、「本来の用法」ということを求められているなら、数え年29歳くらいまでは「弱冠」と呼べる、くらいにゆるやかに捉えたほうがいいです。
20歳ちょうどでなければならない、と誰が最初に言い出したのでしょう?
もし誤用だとか何だとかしつこく言うならば、むしろ「弱冠○○歳」という言い方こそおかしいと思います。
例えば「弱冠二十歳」というのは「馬から落ちて落馬した」式の言い回しになるわけですが・・・。
でも、この「弱冠○○歳で・・・」は、「○○歳という若さで(若さにも関わらず)・・・」くらいのニュアンスだということは理解できる。発信者の意図が了解できる以上、わたし個人としては何の問題もないです。