これは集めていない

叢書や全集をバラで集める - Cask Strength の続きですが、『定本柳田國男集』(筑摩書房)と『折口信夫全集』(中央公論社)だけは、全て揃えようという意欲がどうしても湧かない・・・別に民俗学に恨みがあるわけではないですが、スペースの問題もあって。
『定本柳田國男集』は、5・6・9・10・25・別巻3、を所有。『折口信夫全集』は、1・2・3・4・5・6・17・18・20、といったところですね。
柳田國男の場合、『遠野物語』や『海上の道』あるいは『妹の力』などの業績が一般受けしていますが、第6巻に収められた『口承文芸史考』は、今でも読むに足る文章ではないでしょうか。
折口信夫全集』のうち、手にとる頻度が最も高いのは、第4巻・第5巻の『口訳万葉集』(上・下)です。芳賀矢一の序文にもあるように、万葉集全歌を口語訳したのはこの『口訳万葉集』が史上初の試みでしょう。言葉を補いながらの現代語訳には啓発されることがままあります(歌の寸評も面白い)。折口本人は、この成果を「未熟」と評し、はやい段階で絶版にしていますが。