『李太白文集(一)』
- 作者: 米山寅太郎,高橋智,靜嘉堂文庫
- 出版社/メーカー: 汲古書院
- 発売日: 2006/02/01
- メディア: 単行本
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ところで、上掲『唐代研究のしおり 第九 李白の作品』には、印刷が不明瞭な箇所について文字を補った一覧表を附録にしています(45-48頁)。で、『李太白文集(一)』にも同様の「不鮮明箇所一覧」(389-395頁)があって、文字を補っているのですが・・・。
4 7b 3 同居長干里両小無嫌猜十
*1これが『李太白文集(一)』では、
同「居長千里両小無嫌猜十四焉」
*2とあって、「長干里」と「長千里」という違い。写真(144頁)を見ると、たしかに微妙な字体ですが、これは「長干行」という詩で(「長干」は地名)、問題の句は
同居長干里
両小無嫌猜
――長干の里に同居す、両小嫌猜無かりき――となるのですから、やはりこれは「干」字でしょう。だとすれば、『李太白文集(一)』の「不鮮明箇所一覧」の誤り(誤植)なのか、あるいは、原書が「千」に誤刻していると判断したのか。