七星剣

 稲荷山というと、古代史ファンなら「辛亥年」銘鉄剣を想起するでしょうが、あれは埼玉県の稲荷山。こちらは千葉県のようですね。「王賜」銘鉄剣は千葉県出土ですが、あれは「稲荷台」古墳出土。紛らわしいw

 千葉県成田市稲荷山(とうかやま)の稲荷山遺跡発掘調査で、1983年に断片が出土した剣が全国的にも珍しい「七星剣」であることが筑波大の調査結果で分かった。9世紀ごろのものとみられる。東京国立博物館によると、発掘で七星剣が見つかったのは全国初のケース。七星剣は奈良の法隆寺と大阪の四天王寺などに4点あるが、関東から見つかったのは初という。
 出土品は、刀身の先端の長さ約13センチの部分と中間の同約6センチの部分など。象眼跡が北斗七星の形を示しており、四天王寺伝来の国宝で「聖徳太子御佩用(ごはいよう)の剣」とされている七星剣と酷似していることから七星剣の一部と分かった。

http://www.mainichi-msn.co.jp/photo/news/20070306k0000m040140000c.html

 この裏面には何も象嵌跡が見つからなかったということでしょうか?「南斗六星」があれば表裏で対になります。*1
 また、全体が失われているのが遺憾ですが、北斗七星の象嵌が切っ先の部分にあるということは、その下に銘文あるいは図形があったのかなかったのか。図があったとしたら何だったか。北斗七星であれば、「玄武」や「白虎」が伴っていてもおかしくないですし、「北極五星」や「月」があっても良いでしょう。護身用としての霊力を期待したのであれば、道教系の「破敵符」があった可能性も捨て切れませんね。
 想像力をかきたてる発見です。

*1:北斗七星だけということなら、たしかに四天王寺の七星剣と似ていますね