花盗人

 NBCに送りつけられた乱射事件犯人のビデオをCNNでやってます・・・狂ってる。
 ほのぼのしたニュースを一つ。

京料理人、鴨川のサクラ盗む 「あまりの美しさについ」
 京都・東山の老舗(しにせ)京料理店の調理師の男(39)と女(28)が16日夕、鴨川沿いに咲くサトザクラの枝を折って持ち帰ろうとしたところを、五条署員に見つかった。
 折ったのは花が開いた長さ15〜50センチほどの枝5本。2人は任意の調べに「料理に飾るつもりだった。あまりの美しさに一目ぼれして……つい」と話したという。

http://www.asahi.com/national/update/0417/OSK200704170071.html

 そこで和歌を一首ですよ。

見てのみや 人に語らむ 桜花 手ごとに折りて 家づとにせむ

――見ただけで人にその美しさを語ることができようか、桜花よ。それぞれ折り取ってお土産にしよう。(古今集・春上・素性)
あるいは、

白波の 名をばたつとも 吉野川 花ゆゑ沈む 身をば恨まじ

と観念すべきか(沙石集、巻五末)。

月の光、花の陰、何か今宵の思ひ出ならぬさりながら、あはれ一枝を花の袖に手折りて、月をもともに眺めばやの、望みは残れり、この春の望み残れり