三省堂全訳読解古語辞典(第三版)・1
恩師の一人が「学習用古語辞典ならコレ」と薦めてくれた三省堂の『全訳読解古語辞典』が今年改訂されていたんですね!
- 作者: 鈴木一雄,伊藤博,外山映次,小池清治
- 出版社/メーカー: 三省堂
- 発売日: 2006/11
- メディア: 単行本
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大著『日本朗詠史』(笠間書院)の著者である青柳隆志氏が監修していますが、和歌披講のような朗詠を思い浮かべる人はちょっと肩透かしをくらうと思います。まあ、「朗読」ですから。
ちなみにCD収録作品は(数字はトラック番号)、
万葉集 1-4
古事記 5-8
古今和歌集 9-14
竹取物語 15
土佐日記 16-18
蜻蛉日記 19
枕草子 20-22
源氏物語 23
紫式部日記 24
更級日記 25
方丈記 26
平家物語 27
徒然草 28-31
新古今和歌集 32-37
おくのほそ道 38-40
古事記(4箇所)と土佐日記(3箇所)が優遇され、源氏物語・平家物語が冷遇されるという異様なラインナップと言わざるをえませんね・・・。古事記や土佐日記って、学校で集中的に学習する作品なんですか?
それにしても、新古今集の次にいきなり奥の細道と、中世と近世の扱いが相変わらず悪いですね。謡曲や連歌や漢詩文や浄瑠璃や歌舞伎だって朗読に値する名作、名場面は多いだろうて・・・。学習用辞典という性格上仕方ないのかもしれませんが、上代文学と平安の仮名文学偏重から脱却する試みがあってもいいでしょう。とはいえ、能・狂言・歌舞伎等は現在も芸能として生きているので、ひょっとしたらその方面に遠慮したのかもしれません。しかし、だとすると、平家物語だって平曲として生きながらえていますけどね。よくわからん。