『種の起原』初版公刊150周年と、日高敏隆氏の逝去と

種の起原〈上〉 (岩波文庫)

種の起原〈上〉 (岩波文庫)

種の起原〈下〉 (岩波文庫)

種の起原〈下〉 (岩波文庫)

 チャールズ・ダーウィン種の起原』が公刊(1859年11月24日)されてちょうど150周年にあたるこの日にリチャード・ドーキンス利己的な遺伝子』(The Selfish Gene)共訳者である日高敏隆氏の訃報が届きました。

 動物行動学の第一人者で京都大名誉教授の日高敏隆(ひだか・としたか)氏が14日、肺がんのため死去した。79歳。告別式は近親者で済ませた。後日、お別れの会を開く予定。自宅は京都市。喪主は妻、喜久子(きくこ)さん。

http://osaka.yomiuri.co.jp/university/topics/20091124-OYO8T00601.htm

利己的な遺伝子 <増補新装版>

利己的な遺伝子 <増補新装版>

地球の生物は、三〇億年もの間、自分たちがなぜ存在するのかを知ることもなく生き続けてきたが、ついにそのなかの一人が真実を理解しはじめるに至った。その人の名はチャールズ・ダーウィンであった。・・・今日進化論は、地球が太陽のまわりをまわっているという説と同じくらい疑いないものであるが、ダーウィン革命の意味するものすべてが、さらに広く理解されねばならない。・・・哲学と、「人文学」と称する分野では、今なお、ダーウィンなど存在したことがないかのような教育がおこなわれている。こうしたことがいずれ変わるであろうことは疑いない。

(『利己的な遺伝子』、1〜2頁)
 アメリカのなかでもリベラルな土地柄だったために高校の生物学の授業でこの『利己的な遺伝子』の一部を副教材として読む機会に恵まれたわけですが、かの国ではいまだに非常に多くの人が進化論に懐疑的であり、進化論を授業で教えることに各地で猛烈な反発を示しています。