さくらみちフェスティバル購書記

 週末に神保町さくらみちフェスティバル(http://jimbou.info/news/sakura_2010.html)に行ってきました。幸い天気にも恵まれましたし、欲しかった本も買えました。

 古典文庫が一冊500円とか100円で出ていましたよ。『九代集抄 乾』『九代集抄 坤』は持っていたので、これだけが出ていて助かった。本書は注文だけを翻刻していて歌番号は『九代集抄』によっているので『九代集抄』がないと用をなしません。ご注意を。
 注意といえば、ここでいう「九代集」というのは『古今和歌集』(最初の勅撰集)を除外しているので、『後撰和歌集』(二番目の勅撰集)〜『続後撰和歌集』(十番目の勅撰集)の九代です。いわば古今集は別格扱い。

  • 三村晃功編『摘題和歌集 上』(古典文庫
  • 三村晃功編『摘題和歌集 下』(古典文庫

 『古今和歌六帖』とか『夫木和歌抄』といった比較的古い時代の類題和歌集は便利でよく使うのですが、中世後期以降のものは全然知らずにいたのでちょうど良い機会だと買ったところ、解説で大いに啓蒙されることがありました。

この時期には……『題林愚抄』などからの抄出歌で編纂した『資賢集』『為季集』『光俊集』『為兼前集』『為冬集』『済継集』『邦高集』などの私家集名を冠するが実は類題歌集的性格を有する私撰集……などが出る一方……

(232頁)『為季集』はたしか古典文庫ワゴン内にあったはず・・・。無知というのは、こうして本を買う良い機会をも奪ってしまいますね。

建武年中行事註解 (講談社学術文庫)

建武年中行事註解 (講談社学術文庫)

 これはずっと前に欲しい欲しいと思っていた本で(品切れ状態でした。今でも新刊では買えないかな?)、でもすっかり忘れていた一冊。目の前にした瞬間思い出しました。こうして廉価で入手できていささかの感慨もあります。本書は所功氏による付録「註解部分引用書要覧」(434〜441頁)も見どころでして、この一覧を眺めるだけで、勉強しなきゃと人を奮い立たせます。
 あと漢籍二点を購入しましたがそれはまたいずれの日にか。