俊成の大田社の歌

 最近和歌にかかわる記事が多いですが。

 日本三大自生地の一つに数えられ、国の天然記念物にも指定されている京都市北区大田神社境内のカキツバタが見ごろを迎えた。約2万5000株の紫の花が雨で一層映え、訪れる人を楽しませている。
 自生地は境内の「大田ノ沢」。平安後期から鎌倉初期の歌人藤原俊成が和歌に詠んだ名所でもある。大田神社によると、花は今月下旬ごろまで楽しめそう。葵祭(15日)がある中旬ごろが一番の見ごろという。

http://mainichi.jp/select/wadai/news/20100512k0000m040107000c.html

 万治二年刊本『歌枕名寄』を検するに、巻一(山城国、賀茂篇)に「太田沢」があり、俊成の歌一首のみが挙げられています。

五社百 神山やおほたのさはのかきつはた ふかきたのみは色にみゆらん  俊成

 集付の「五社百」というのは俊成の文治六年五社百首という百首歌のこと。