『ことばの重み』

ことばの重み 鴎外の謎を解く漢語 (講談社学術文庫)

ことばの重み 鴎外の謎を解く漢語 (講談社学術文庫)

 日本近代漢詩文の研究はこれからますます発展するでしょうから、このタイミングの講談社学術文庫での復刊は喜ばしいことだったと思います。
 とはいえ、小島氏の(分量の小さい)著作のなかで復刊すべきは『萬葉以前』だと思うのですが、これは岩波書店が版権を持っているから学術文庫には入らないでしょう・・・。
萬葉以前―上代びとの表現

萬葉以前―上代びとの表現

 万が一復刊された暁には、付録として「『佩文韻府』・『文選』を読まぬ日はなし」(『漢語逍遥』*1所収)を収録すれば大いに後学の指針となるのではないかと。『佩文韻府』については、本書『ことばの重み』のなかでもその重要性が強調されて度々利用されていますが、こればかりは実際にそれを手にとってそのすごさを実感するほかないです。

(縮刷本『佩文韻府』、巻6の「書」の項目)
 もう一つの座右の書『文選』の消息については、本書解説280頁を参照。わたしも小さい英和辞書を一回壊したことはありますが、『文選』を二回もとは・・・!

*1:鷗外の用いる語に関しては『漢語逍遥』第一部第一章にも論があります。