センター試験に出題された『源氏物語』「夕霧」のくだりの直後の場面を描いた源氏絵 @和泉市久保惣記念美術館

 センター試験源氏物語という「超大物」から出題されたということで話題になっています。
 http://sankei.jp.msn.com/life/news/140118/edc14011808000001-n1.htm
 深刻な場面なのですが、夕霧は根が真面目なものですから、「あやしう中空なるころかなと思ひつつ・・・もの懲りしぬべうおぼえたまふ」の辺りなど、がらにもないことをしている夕霧のことを思いやるに面白いところですね。
 それはそうと、この直後に、雲居雁の父(致仕の大臣)が蔵人の少将(柏木の弟)を一条邸に使者として送ります。落葉の宮にとっては少々かわいそうな場面です。実は、この場面を描いた珍しい源氏絵がありまして、和泉市久保惣記念美術館の所蔵となっています。ほかに作例は知られていません。http://www.ikm-art.jp/cgi-bin/library/index.cgi にて「源氏物語手鑑 54夕霧二」と検索してみてください。
 http://www.ikm-art.jp/enlarge/01/0187.jpg(画像のリンクです)
 左側、手紙を持って邸の奥に入っていくのが蔵人の少将。ぴりぴりとした緊張感が伝わってきます。
 細かいことですけど、和歌の第四句、「あはれとおもひ」となっているようですね。源氏物語の現行諸注は「おもふ」の本文を採ることが多い。