六壬課(『事林広記』)

id:hokuto-hei さんが仰る「六輝」とは、いわゆる暦注の一種で、先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口のことですが、これは近世において日本化したものですね。北斗柄さんのご指摘にありましたように、『事林広記』 *1 には、大陸で行なわれた六輝六壬課)のありようが紹介されています。元禄12年版本でいえば、壬集・巻七・第四十八丁に見えます(『和刻本類書集成 第一輯』423頁)ので、その一部をうpしました。かろうじて字は判読できるのではないかと・・・。
六壬課(『事林広記』)
前述したように、日本では六輝といえば、先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口ですが、元来は、赤口・小吉・速喜・空亡・留連・大安であったことがわかります。
北斗柄さんのような専門家がいらっしゃる手前、私はここら辺でもう消えますが、この後にも面白い記事が続いていて(北斗柄さんにとっては、むしろ、こちらの方に興味があるのでしょうが)、例えば、大安の日というのはどういう日なのかという説明があり、

   大安時 属木 青龍主事
大安百事昌 求財在坤方 失物去不遠 宅舎保安康
行人由未動 病鬼不為殃 将軍還旧願 子細為推詳

まず、大安の日は、五行で言うところの「木」のエレメントに属し、四神の一つである青龍が主宰神である、と。そして、その後に韻文らしきものがあって、「大安の時は、万事うまくいく。財宝は坤(ひつじさる。南西)の方角にある。なくし物は近くにあるし、家屋は無事を保つ・・・」云々と、おみくじで見かけるような文言になっています。
後日、id:hokuto-hei さんによるレポートがあると思いますので、それを楽しみにしましょう。

*1:宋末〜元初の成立ですが、現存するものは元〜明代に増補されたもの。「和刻本類書集成」に縮刷影印されたものは、元禄12年(1699年)刊の十冊本。