風景

熟語の話のついでに、せっかくなので今度は熟語「ではない」語の小咄を。
「風景」といえば、今でこそ熟語として landscape や scenery の意味で使いますが、これは本来は二つのもの、つまり「風」と「景」(太陽の光)ですね。ですから、杜甫のあの有名な詩「江南逢李亀年」、

岐王宅裏尋常見
崔九堂前幾度聞
正是江南好風景
落花時節又逢君

「江南好風景」というのは、「江南地方の素晴らしい風と光」ということになります。
詳しく知りたい方は、小川環樹「中国の文学における風景の意義」(『小川環樹著作集第一巻』)を勧めます。