陽明文庫創立70周年記念特別展「宮廷のみやび―近衞家1000年の名宝」

 東京国立博物館で来月の24日まで(http://www.tnm.jp/jp/servlet/Con?pageId=X00&processId=01)。「春日鹿曼荼羅図」や『和漢朗詠集』、『春日権現霊験記絵巻』、あるいは後陽成天皇ら三人による「一座之詩歌」等が見所でしたが、多く展示されている近衞家熙の作品のなかでは、「百寿図」が印象的でした。正月展示にふさわしいし!いつか私も「百寿図」(百福図、百禄図も)を自分の手でものしたいですね。篆刻の勉強をしておけばよかった・・・。あと、人形がかわいかったです。銀細工の雛道具があったのですが、あの技術の高さは異常・・・。
 当初、「『御堂関白記』を出すということは、例の『この世をば・・・』の歌のところを出すんだろうなぁ」と思っていたのですが、よく考えてみたらそれは勘違いで、あれは『御堂関白記』ではなくて、道長のライバル実資の日記『小右記』の記述によって知られる歌でしたね。
 29日から展示予定の『琴歌譜』や為相筆『古今和歌集』、あるいは「新楽府」の断簡とかは見たかったけど仕方ない。概して29日以降のもののほうが良さそうな印象。
 特別展と同レベルの目玉は本館平常展の国宝室に展示されている長谷川等伯の「松林図」。14日までなので見ておいたほうがいいですよ。余白を余白だと感じさせない筆致にはただただ驚嘆させられます。