心ずかいと心づかい(補)

b:id:kuzanさんが

「現代仮名遣い」における「表記の慣習による特例」は、「特別に許容される」ではなく、「〜と書く」になっています。助詞の「を・は・へ」などと同じく。

とおっしゃるのは全くその通りで、「許される」とかの私の書き方だと、あたかも「はなじ(鼻血)」という表記も公的な文書で大丈夫であるというように理解されかねないですね・・・。
 現代仮名遣いに関する内閣訓令と告示はこちらで見られます→ 「現代仮名遣い」に関する内閣告示及び内閣訓令について:文部科学省
 私が強調したかったのは「なお、次のような語については、現代語の意識では一般に二語に分解しにくいもの等として、それぞれ「じ」「ず」を用いて書くことを本則とし、「せかいぢゅう」「いなづま」のように「ぢ」「づ」を用いて書くこともできるものとする」の部分でした。こういったものは時代・個人によってだいぶ意識が異なってくる。
 以下は具体的な統計があるわけでもない私の主観に基づく与太話なので読み飛ばしてもらえればいいのですが、「こぢんまり」「もとづく」「おこづかい」あたりは、近い将来に「こじんまり」「もとずく」「おこずかい」と実例数が拮抗すると思います。「こぢんまり」「こづかい」は、「こ」という接頭辞と連合することばですが、果たしてこれを、「こ」+「ちんまり」、「こ」+「つかい」という意識で用いているかどうか。「もとづく」の場合、漢字表記としては「基」の一字を用いるのが一般的で、それが「もと」+「つく」という語構成の認識を困難にする可能性があります。
 「こじんまり」「もとずく」「こずかい」、こういう表記を見たとき、みなさまはどうしますか?私の基本的な立場は昨日書いた通りです。だからと言って、わたし自身が四つ仮名を意識せずに物を書くかといえば、そうではありません。
 難しい問題ですよね。簡単に割り切ることができないからこそ、言語は、面白い。
追記:歴史的仮名遣い - Cask Strength