漢文法基礎
ひさしぶりの枝葉末節レビューです。本を紹介できずにレビューの素案だけたまっていくので、記述の簡素化、複数書籍の紹介というように効率化したほうがいいかもしれませんね。まあ、考えておきます。
- 作者: 二畳庵主人,加地伸行
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/10/13
- メディア: 文庫
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- 作者: 小川環樹
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2005/09/16
- メディア: 文庫
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この「輒」は「機会があるたびごとに」という語感なのである。この語感を持つ別のことばに、「動」という副詞があり、この「動」とよくいっしょに用いられ、「動輒」という形で表れる。これは「ややもすればすなはち」と読み、「機会があるそのたびごとに」という感じで読みとるのである。この語感をもとにすると、「輒」はなにもいつでも接続詞として読む必要はない。「そのたびごとに」こうなる、と言うことは「たやすく」こうなる、という方向を含んでいるから、「たやすし」という形容詞と考えてもよい。
(156頁)
あと、一箇所特筆すべきは、冒頭の「基礎編」で、優れた漢文参考書として「湯浅廉孫『初学漢文解釈ニ於ケル連文ノ利用』(朋友書店復印。ただしこの本は専門的すぎる)」(32頁)が挙げられていることです。わたしが持っているのは1941年に文求堂書店から刊行された元版でして、この朋友書店による覆刻版は知らなかったのですが、覆刻にあたって書名を少し変更しているようなので注意が必要。
- 作者: 湯浅廉孫
- 出版社/メーカー: 朋友書店
- 発売日: 1980
- メディア: 単行本
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