【ご案内】本日本文学教室の大学院入学を志望する方へ



 隗より始めよ、だって?それでは、恥を忍んで・・・。
 元ネタ:首都大学東京 社会学教室 |【ご案内】本社会学教室の大学院入学を志望する方へ社会学の基本図書が挙げられているので、是非ご参照ください。


 本教室の博士前期課程入学試験は、外国語、基礎知識、論文、口頭試問から成りますが、近年、受験者の方々のあいだに基礎知識の準備不足が目立つようになってきています。過去の出題は公開されていますし、それを一読すれば明らかなように難問・奇問のたぐいは一切ありません。にもかかわらず十分に得点できないことの背景には、学部で日本文学を専攻しておらず、文学修士号を目指す前段階において必要な指導を受けていない方の増加があるものと推察されます。
 各々尊重すべき課題意識や将来展望を抱き、専攻を変えてまで本教室を志望する方々を、所属教員一同はこれまで歓迎してきましたし、今後も変わらず歓迎します。そうした方々が不要な回り道をせずに済むよう、以下のとおり助言します。
 本教室を受験する方は、文学の標準的な複数の教科書に親しみ、文学辞典(※ただし、事典によって出来不出来があります。近現代文学の分野で使える事典はあまりありませんが、谷沢永一氏の御論文等を活用してください。古典文学であれば、もういい加減古くなってきましたけれども、岩波書店の『日本古典文学大辞典』でしょう)などを用いてさらに理解を深めて下さい。当然、単に受験対策として勉強するのでなく、ご自身の研究課題と関連付けながら取り組むべきでしょう。研究とは、要するに何らかの既存の用語系に習熟し、それを創造的、批判的に用いて、自身の収集した資料を整理し、考察を加えることにほかならないのです。
 推奨される文献としては、どれもやや古いですが、たとえば次のようなものがあります。土橋寛『万葉開眼』(上下)、青木和夫『日本の歴史3 奈良の都』、藤岡作太郎著・秋山虔他校注『国文学全史 平安朝篇』(1・2)、小沢正夫『古今集の世界 増補版』、久保田淳『中世文学の世界』、伊藤正義「中世日本紀の輪郭」(『文学』第40巻第10号)、島田虔次『朱子学陽明学』、徳田和夫『お伽草子』、鈴木重三『合巻について』、安東次男『風狂始末』、島田謹二『近代比較文学』、石原千秋ほか『読むための理論』、秋山光和『王朝絵画の誕生』、宮本常一『絵巻物に見る日本庶民生活誌』。これら以外に、本教室所属教員が執筆したものなども多数存在します。書誌学の教科書としては、橋本不美男『原典をめざして』、櫛司節男『宮内庁書陵部 書庫渉獵』、堀川貴司『書誌学入門』など。語学的分野に関しては、築島裕歴史的仮名遣い』、渡辺実『平安朝文法史』、西崎亨編『日本古辞書を学ぶ人のために』など。漢籍の入門書としては、狩野直喜『漢文研究法』、清水茂『中国目録学』、小川環樹唐詩概説』などがあります。
 本コメントが悔いなき受験に資するなら幸いです。


 みなさまも是非!