『古今文字讃』と『百体千字文』
国立国語研究所の所蔵する『古今文字讃』のデジタル画像が試験公開 | カレントアウェアネス・ポータル
文字やデザインに関心がある方々は胸熱になったでしょうけど、もしこういうのがお好きなら、清・孫枝秀『百体千字文』(康煕二四(1685)年序)も必見です。早稲田大学図書館所蔵本のデジタル画像が公開されています。すでにご存知の方も多いでしょうが。
歴朝聖賢篆書百体千文 / 孫枝秀 集篆 ; 周霟 参訂
『和漢三才図会』巻一五の「歴代文字」項はここから特に奇妙な23種の書体を紹介したものでして、こちらを御覧になったという方も少なくないはず。
倭漢三才図会 : 105巻首1巻尾1巻. [16] - 国立国会図書館デジタルコレクション
倭漢三才図会 : 105巻首1巻尾1巻. [16] - 国立国会図書館デジタルコレクション
倭漢三才図会 : 105巻首1巻尾1巻. [16] - 国立国会図書館デジタルコレクション
倭漢三才図会 : 105巻首1巻尾1巻. [16] - 国立国会図書館デジタルコレクション
大部分が実用の字ではないという点では、なかばネタ話に属するわけですが、それでも『古今文字讃』に挙げられている21種はだいたい『百体千字文』にも取り上げられているのですから、業界(?)の伝統はたしかにあった。
『古今文字讃』と『百体千字文』の文字を比較対照できるようにしてみました(『百体千字文』の数字は丁数ではなくて、前掲早稲田本のコマ数です)。名称の小異は無視します。見比べてみると、同じ書体のはずであっても趣が異なっていたりして、面白い。
『古今文字讃』上巻
- 古文篆 → 『百体千字文』23
- 籀文篆 → 24
- 科斗篆 → ナシ
- 科斗蟲篆 → 22
- 小篆 → 27
- 雲気篆 → 51
- 芝英篆 → 28
中巻
- 摹印書 → 45
- 蟲篆書 → 37
- 署書 → ナシ(参照、12)
- 殳書 → 40
- 懸針篆 → 34
- 垂露篆 → 30
- 倒韮篆 → 27
下巻
- 鶴頭書 → 40(「鵠頭書」)
- 偃波書 → 40
- 伝信鳥書 → 32(「鳥篆」)51(「鳥書」)
- 填書 → 36
- 八分書 → ナシ
- 飛白 → 45
- 龍爪書 → 45