祝福と、哀悼と
耳を疑うNFL関連ニュースが二つ飛び込んだ。
まずは、good news。Colts の QB Peyton Manning が、84年の Dan Marino が作った、“100年は破られない”記録、1シーズン48TDパスを抜き去り、49TDをマーク!しかも、レギュラーシーズン残り1試合を残しています。最終戦にあたる Denver は今年は素晴らしいパスディフェンスを誇っているとはいえ、50の大台は確実でしょう。
もちろん、Marino の現役時代は、今よりもパスディフェンスの側に有利なルールであったわけですから、単純比較もどうかと思うのですが、Manning の場合、QB rating も異常に高い(123.9・・・こんな数字見たことありません)ので、この記録樹立は、素直に驚嘆に値します。
とにかく今年はAFCが極めて面白い。AFCチャンピオンがすんなり Super Bowl で楽勝しそうな予感。
さて、それはともかく・・・。NFL史上最高のディフェンス選手と呼ぶ人も少なくなかった Reggie White が星となりました。享年43歳。本当に痛恨です。
最多 sack 記録は、もちろん Bruce Smith の200.0で、White はわずかに2個足りない198.0の二位ですが、この味気ない数字では測りきれない偉大な選手でしたね。
ここで少しフットボール講釈を。White は基本的にLE(LT)、つまりディフェンス側から見て左側にいる選手なわけで、オフェンスから見ると右側、もう少し細かく言えば、右利きのQBの視界に入る選手。それに対して、Bruce Smith その他の有力DEたちは、その多くがRE、つまりQBの blind side(視界から遮られる側)の選手。ということは、右利きQBが大多数を占める現状では、右利きQBの視界にばっちり入ってくる(よって、QBも回避行動をとりやすい)ディフェンス左側の選手が sack をすることがいかに困難か、想像することは容易でしょう。
そのハンデのなかで生涯198.0の sack を記録し、数字には決して残らない、QBに常にプレッシャーをかけ続けたその圧倒的な存在感は、永遠に記憶されるでしょう。しかも、慈善事業にも積極的に参加し、社会人の模範たる選手でした。ありがとう、さようなら、Reggie。