人はなぜ逃げおくれるのか
クリスマス気分が吹っ飛び、ふざけたことを書くのを躊躇するような惨憺たる映像がテレビで流れています・・・。
ニュースを見ていると、もう津波がすぐそこまで迫っているというのに、ただそこに突っ立って傍観している(一部のひとは笑ってさえいる!)観光客・地元住民の姿が結構ありまして、いやでも広瀬弘忠『人はなぜ逃げおくれるのか――災害の心理学』(集英社新書 2004年)を想起せざるをえませんでした・・・。
災害に遭ったとき、人間が「パニック」するというのは幻想だ。むしろ、大多数の人は、そういう絶体絶命の危機的状況に対して極めて鈍感であり、自分の置かれた状況を正確に理解せず、迅速な対応をしないために命を落としたり被害にあったりするケースが圧倒的に多い、という本書の警告は非常にショッキングでしたね。まだお読みでないかたは、テロ・災害の危険が大きいこういう時代だからこそ一読を勧めます。