春・夏の札こぼれ話(1)

 もともとこぼれ話ですが、そのこぼれ話からさらにこぼれた話を。

  • 松に鶴

宇宙からツルを追う―ツルの渡りの衛星追跡

宇宙からツルを追う―ツルの渡りの衛星追跡

 松に巣食うわけではない鶴は、どこに生息し、そしてどのように渡ってくるのか。衛星画像の解析によってそれを明らかにします。平易な内容で、オススメの一冊。

  • 梅に鶯

 鶯のライバルはホトトギスで友人がメジロでしたが、では梅は?梅は交際が結構広いようです。
 梅と菊は「歳寒の二友」と呼ばれます。無二の親友といったところでしょうか。ところが「歳寒の三友」になると、松・竹・梅、あるいは梅・水仙・竹ですから、菊はあぶれてしまう。もっとも、「歳寒の二雅」といえば竹と梅なので、人気者の梅を皆で奪い合っている構図。
 また、「三益友」というと『徒然草』を思い出すかもしれませんが、自然界では梅・竹・石を指します。
 「五友」になると菊が復活して、竹・梅・蘭・菊・蓮と、ちょっとした華やかな仲良しグループといった趣ですね。
 ほかにも、「三清」は、梅・竹・水仙(あるいは石)*1。「四花」は、梅・菊・水仙・蝋梅・・・といった具合で、梅はどこに行っても引っ張りだこです。

*1:枯木・竹・石、も「三清」。「五清」といった括り方もあって、これは諸説あるのですが、例えば、松・竹・梅・蘭・石、竹・梅・石・芭蕉・菊、など。