今週のお題「2010夏の課題図書」――漢籍

 私の課題図書は、はてな村広しといえども、絶対に誰とも一冊も重ならない自信がありますw
 いつものことなのですが、細々と買い進めている趣味の中文書がこの三カ月でまたもや積ん読状態に・・・orz がんばって消化したい・・・

  • 『仏教漢語研究』

 論文集。「漢訳仏典的語言研究」「最早的仏経訳文中的東漢口語成分」など24篇。

  • 『新輯本桓譚新論』

 漢・桓譚の著作『新論』の逸文を輯集、校勘

 2003年刊の再刊本。誤植等を訂正し、巻末に人名索引を新たに付した。『貞観政要』を諸本26本で校合。

 許維遹氏の名著が半世紀以上を経て装いを新たに新編諸子集成シリーズに。

  • 『郎官石柱題名新考訂 外三種』

 岑仲勉著作集第七巻(本当は揃いで買いたかったのですけど・・・)。唐代官僚を調べるための基礎資料。

  • 『鄭谷詩集箋注』

 晩唐・鄭谷の詩の注釈。代表作「鷓鴣」「知己の『秋日傷懐』に和す」「淮上にて友人と別る」など。

  • 敦煌本仏教霊験記校注並研究』

 敦煌出土のさまざまな仏教系の「霊験記」写本の注釈(17種)と研究。霊験記というのは、要するに、お経や仏像などを大切にしていたらその功徳で恩恵をこうむった、というエピソードを集めた説話集。

  • 敦煌道経詞語考釈』

 敦煌文献に見られる道教系の語彙を解説した辞書。用例が多く挙げられていて便利。

  • 『観世音応験記三種訳注』

 これも霊験記で、我が国京都青蓮院蔵『光世音応験記』『続光世音応験記』『繋観世音応験記』の注釈と現代中国語訳。

  • 『詩品箋注』

 梁・鍾糝『詩品』の注釈。『詩品』で挙げられている詩人が他の評論書ではどういう評価が与えられているかに触れている。

  • 『唐宋千家聯珠詩格校証』上・下

 岩波文庫『聯珠詩格』は全体のごく一部しか取り上げていないので、結局これが必要。

  • 『鬼谷子集校集注』

 鬼谷子は、例の「合従」「連衡」策を唱えた蘇秦張儀の師とされています。

  • 『書譜序注疏』

 孫過庭「書譜」の影印と注釈。草書体の勉強にもなる。

  • 『何遜集校注(修訂本)』

 梁・何遜の詩の注釈。代表作「范記室雲に酬ゆ」「揚州法曹にて梅花盛んに開く」(「早梅を詠ず」)「慈姥磯」など。

 魏・曹丕曹操の子。文帝)の詩文の注釈。代表作「典論」「雑詩」「燕歌行」など。

  • 『四庫唐人文集研究』

 四庫全書所収の唐人別集(個人全集)の研究・・・のよう。まだ目を通していない。

  • 『《傅子》評注』

 晋・傅玄の著作『傅子』の逸文を輯集、注釈。

  • 敦煌講唱文学写本研究』

 荒見泰史氏による専著(現代中国語)。第四章資料一の文献目録も大変有用。

  • 『風俗通義校注』上・下

 約30年前の王利器氏による詳注本が新編諸子集成続編シリーズに編入されて再刊。

  • 『王梵志詩校注(増訂本)』上・下

 昨年の春頃に注文した本だったのですが、出版が延期されたようでようやく手に入りました。唐・王梵志の詩の注釈。

 曽良氏の論文集。「敦煌変文字詞考」「敦煌文献詞語札記」「俗写与仏経字詞語義解読」など24篇。

  • 『道安著作訳注』

 『出三蔵記集』などに引用された、釈道安による仏典の序文の訳注。

 羅国威氏の論文集。「左思《三都賦》綦毋邃注発覆」「新発現的謝霊運佚文及《述祖徳詩》佚注」など19篇。

  • 『八代談藪校箋』

 隋・陽玠『談藪』の逸文を輯集、注釈。