写本で分注の文字数カウントを誤った時の処置・補足
一昨日は寄り合いに行ったので、例のように神保町でいろいろ買い物をしまして、遅ればせながら『漢字字体史研究』も購入。
- 作者: 石塚晴通編,石塚晴通
- 出版社/メーカー: 勉誠出版
- 発売日: 2012/11/02
- メディア: 単行本
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このネタ、私も3月に書いたことでした。写本で分注の文字数カウントを誤った時の処置 - Cask Strength 私が紹介した『文選集注』は論文では言及されていないので、あわせてご参照ください。
小助川氏は、
割注の左行字数が極端に少なくなってしまった場合、埋字処理が行なわれることがある。埋字処理には「ヽ」のような点を埋め込む例、文末助字の最終画を伸ばす例、文末助字を連続させる例など様々な形態がある。
(154頁)として、
の例を挙げていらっしゃいます。
図版を転載してもいいものかどうか少し悩みますが、いずれも公開・刊行されている写本なので、まあ大丈夫でしょう。
(155頁)
(156頁)
探せば割と出てくると思います。思い出せないですけど、他の敦煌写本でも見たことありますよ。
【追記】『文選集注』の、曹子建「贈丁儀」詩のすぐ後にも同様の例がありましたー。この間ずっと見逃していました。
(259頁。陸士衡「答賈長淵」)割注最後の「集也矣」が衍字です。