玄氷丸・飛霜散

 あまり今までは「立夏」を意識したことなかったのですが(暦日に鈍感というのはちょっとマズいのですが)もう立夏とな。今夏は猛暑が予想されている上に、電力不足で冷房抑制気味とか、私に死ねと言うのか・・・
 でも、抱朴子という昔の人が避暑の方法を教えてくれているよ!

或問不熱之道。抱朴子曰、或以立夏日、服六壬六癸之符、或行六癸之炁、或服玄氷之丸、或服飛霜之散。

(『抱朴子』内篇・巻十五雑応。王明氏『抱朴子内篇校釈 増訂本』、269頁)
――「ある人が暑さに耐える法を問う。抱朴子が言った、あるいは立夏の日に六壬(六つのみずのえの日の精)・六癸(六つのみずのとの日の精)のお符を服用する。あるいは六癸の気を体じゅうにめぐらす。あるいは玄氷の丸薬を服用する。あるいは飛霜の散薬を服用する。(本田済氏訳『抱朴子 内篇』平凡社東洋文庫、308頁)
 「玄氷丸」「飛霜散」は名称からして涼しげ。まあ、一つ問題があるのですけど。

然此用蕭丘上木皮、及五月五日中時北行黒蛇血、故少有得合之者也。

――しかしこれらの薬は、蕭丘(伝説の島。いつも火が燃えている)の上の木の皮、および五月五日の昼に北へ行く黒い蛇の血を材料とする。だからこれを合成できる人はめったにない。