障子に指で穴を開けて室内をこっそり覗いた我が国最初の例

 割とどうでもいいことですが内輪ネタなので・・・
 ↓これのことね。

 文献に記録されているなかでこれをやった最初の(不名誉な?)人は慧義という僧です。もっとも、障子ではなくて窓に貼った紙を破るわけですが、同じような行為として認めていいでしょう。

釈義覚者本百済人也。其国破時、当後岡本宮御宇天皇之代、入我聖朝、住難破百済寺矣。法師身長七尺、広学仏教、念誦心般若経。時有同寺僧慧義。独以夜半出行。因見室中、光明照耀。僧乃怪之竊穿牖紙窺看、法師端坐誦経。光従口出。僧以驚悚、明日悔過周告大衆。・・・

(『日本霊異記』上巻第十四)――義覚はもともと百済国の人であった。百済が滅びた時、つまり斉明天皇の御代にあたるが、日本に来て難波の百済寺に住むようになった。義覚法師は身長七尺、広く仏教を学び、般若心経を(いつも)唱えていた。その頃、同じ寺に慧義という僧がいた。夜中に出歩くと、(義覚の)部屋を見るに、光輝いていて明るかった。慧義は不思議に思って、こっそりと窓の紙に穴を開けて覗いてみると、義覚法師はきちんと座って誦経しており、口からは光が出ているのであった。慧義は驚いて、翌日に(覗き見を)懺悔して他の僧にこのことを告げた。・・・
 大陸でも同じようなことが行なわれていたはずですが、その初出例は、私は知りません。