『日本中青年学者論中国史 六朝隋唐巻』所収論文の出典
CiNii 図書 - 日本中青年學者論中國史
日本人の東洋・中国史学者の論文を中国語訳したものを時代別に分類して収録した論文集。今回チラと覗いたのは「六朝隋唐巻」。
現代日本における中国学の成果は、当然ながら、本国でも高く評価されていて、たとえば池田温編『中国古代写本識語集録』(東洋文化研究叢刊 第十一輯、1990年)等のように必備の基本図書として名を轟かせているものも少なくありません。
本場の研究者がどういった邦文業績を重要文献と捉えていたのかということを知る一つの指標として、本論文集に収録されている論文の原題と出典を挙げておきます。
- 上田早苗「貴族的官制の成立――清官の由来とその性格」(『中国中世史研究――六朝隋唐の社会と文化』東海大学出版会、1970年)
- 窪添慶文「北魏前期の尚書省について」(『史学雑誌』87巻7号、1978年7月)
- 佐藤智水「北朝造像銘考」(『史学雑誌』86巻10号、1977年10月)
- 安田二郎「晋宋革命と雍州(襄陽)の僑民――軍政支配から民政支配へ」(『東洋史研究』42巻1号、1983年6月)(Kyoto University Research Information Repository: 晉宋革命と雍州 (襄陽) の僑民 : 軍政支配から民政支配へ)
- 中村圭爾「「劉岱墓志銘」考――南朝における婚姻と社会的階層」(『東洋学報』61巻3・4号、1980年3月)
- 都築晶子「南人寒門・寒人の宗教的想像力について――「真誥」をめぐって」(『東洋史研究』47巻2号、1988年9月)(Kyoto University Research Information Repository: 南人寒門・寒人の宗教的想像力について : 「眞誥」をめぐって)
- 気賀沢保規「『大唐創業起居注』の性格について」(『鷹陵史学』8号、1982年2月)
- 愛宕元「唐代における官蔭入仕について――衛官コースを中心として」(『東洋史研究』35巻2号、1976年9月)(Kyoto University Research Information Repository: 唐代における官蔭入仕について : 衞官コ―スを中心として)
- 高橋継男「唐代後半期における巡院の地方行政監察業務について」(『星博士退官記念中国史論集』星斌夫先生退官記念事業会、1978年)
- 中村裕一「唐代の制書式に就いて――仁井田陞氏復元制書式の検討を中心に」(『史学雑誌』91巻9号、1982年9月)
- 金子修一「魏晋より隋唐に至る郊祀・宗廟の制度について」(『史学雑誌』88巻10号、1979年10月)
- 大沢正昭「唐代華北の主穀生産と経営」(『史林』64巻2号、1981年3月)
- 大津透「唐律令国家の予算について――儀鳳三年度支奏抄・四年金部旨符試釈」(『史学雑誌』95巻12号、1986年12月)
- 船越泰次「唐代両税法における斛斗の徴科と両税銭の折糴・折納問題――両税法の課税体系に関連して」(『東洋史研究』31巻4号、1973年3月)(Kyoto University Research Information Repository: 唐代兩税法における斛斗の徴科と兩税錢の折糴・折納問題 : 兩税法の課税體系に關連して)
- 妹尾達彦「唐代後期の長安と伝奇小説――『李娃伝』の分析を中心として」(『日野開三郎博士頌寿記念論集中国社会・制度・文化史の諸問題』中国書店、1987年)
未見のものだらけでして、目録等を活用しましたので誤りもあろうかと思います。また、後に論文集に再録・加筆された論文(たとえば、佐藤氏の論文は岡山大学文学部研究叢書『北魏仏教史論考』1998年、に収録)もありますが、本書の体裁にならっていずれも初出のものです。