世界樹を買ってきたよ

 世界樹を買ってきたよ!

 トネリコ。まあ、あの北欧神話世界樹イグドラシルはセイヨウトネリコ(Ash)で、別の種のようですが・・・。
 杖や槍(アキレスの槍。『イリアス』第16章)の材料になるような堅強な木。この子は華奢ですが、枝ぶりや葉がかわいいのです!この写真では立体感がうまく伝わらなくて本当に申し訳ない。
 そういえば、本居大人もトネリコに関心があったようで、『玉勝間』(巻十三)に取り上げられています。

   とねりこの木
とねりこの木といふ木、木の色いと白く、葉は榎の葉ににて、大木になる物なり、実は、かくの如き形にて、上の方は葉のやうにひら也、件の木、美濃国飯木村に多く有て、他村には無しと、同人いへり、飯木村は、此人の故郷也、多芸郡なり、

(『本居宣長全集 第一巻』筑摩書房、1968年。396頁)ここの「同人」は田中道麻呂を指す。
 地名「飯木」は「ハンノキ」とよむらしい。なるほど面白い。『類聚名義抄』には「榛」に「トネリコ」の訓があり、「榛」(ハンノキ、あるいはハジカミ)の異名の一つであったようです(植物の異名・方言について、あるいは別名の植物の同定については素人では手に余るような厄介な問題があり、軽率なことは言えませんが)。

(観智院本類聚名義抄。http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2586893/46
 「とねりこ」→「榛」→「はんのき」→「飯木」のような変遷を辿ったのでしょうか。