今日の収穫

古本屋を巡っても探していた本は見つからず。でも、徒労ではなかったです。

  • 陳伯君校注『阮籍集校注』(中華書局)

1987年刊。もう増刷はしばらくないかなと諦めていましたが、去年6月に本国で第二刷が出たんですね。なくなったら再び入手困難になると思うので、買っておいたほうがいいです。
阮籍竹林の七賢の一人。大酒をくらい、奇行も多かったと伝えられますが、狂気を装うことは、陰謀や疑心暗鬼が渦巻く魏王朝の末期を生き抜くために必要だった(口は災いのもと、の言葉通り、盟友の●(ケイ)康は司馬昭に処刑される)。「詠懐詩」(四言、三首。五言、八十二首。計八十五首)によって、後世のわれわれは、かれの孤独な心を垣間見ることになります。

その筋の人にとって必読文献とされている通史ですね。線引きと蔵書印があって安かったので購入。日本社会への隠然たる影響力を思い知らされます。安倍晴明の著作だと確実に認定されるのは、わずかに『占事略决』だけだそうで、その尊経閣文庫所蔵鎌倉時代写本が139〜169頁に翻刻されています。陰陽師関係の小説を書きたいという人(もう時代遅れか?)は、ここからネタを調達しましょう。