宮城県のための宣伝文句案

 The Perch of Information さんが日本全土が「うまし国」 - Cask Strengthを好意的に取り上げてくれました。そのなかにごもっともな意見が。

三重県、伊勢の風光明媚さを「美し国と日本書紀に書かれていた」から見つけたなら、
宮城県の良さがあればもちろんどこかの文献に書かれているはずです。
それを地元や周辺地域のところから探し、地元と関連した言葉でアピールしていくのが筋じゃないでしょうか?

http://www.saira.jp/news/displog/12.html

 というわけで宮城県や広告代理店のかわりに探してこようというのが今日の企画。
 しかし、私はコピーライターでもなく、真剣に探す気もないので、とりあえず思いついたものを二つだけ。

天皇の 御代栄えむと 東なる 陸奥山に 金花咲く

 『万葉集』巻十八・4097。大伴家持「賀陸奥国出金詔書歌」の反歌(第三首)ですね。天平二十一年(天平感宝元年天平勝宝元年、749年)に陸奥国少田郡、つまり現在の宮城県遠田郡の辺りから金の産出が報告され、それを慶ぶ宣命がのべられ、その宣命を聞いた家持が歌った。
 金の産出を開花に譬えたこの第五句「金花咲く」(くがねはなさく)、使えませんかね。黄金郷、みたいなイメージ。

陸奥の 奥ゆかしくぞ 思ほゆる 壷の碑 そとの浜風

 西行の歌(『山家集』中巻・雑)。「奥ゆかしい 陸奥の旅」なんて言うと、ただのダジャレにしか聞こえませんが、西行法師の歌を典拠に持つことで有り難味も出てくるというもの。異国情緒みたいなものを前面に出す。
 本来なら『奥の細道』からなにか使えるものを出したいところですが、「松島は扶桑第一の好風にして」とか、ピンポイントの話ばかりですね。