「日本図」と「金のなる木」と――印刷博物館「開館10周年企画展 印刷博物館10年のあゆみ」

 昨日行ってきました。→ 印刷博物館:企画展示 > 開館10周年企画展 印刷博物館10年のあゆみ まだ自由研究で頭を悩ませているご家族にもぴったりではないかと。
 この開館10周年企画展の期間中は、過去の企画展の図録が1000円(通常の半額程度)で買えるというのも嬉しいので、是非足を運んでみてください。
 お土産で買ったのは図録ではなくて、絵ハガキ一枚と、引札のしおりです。

 これ、どこの地図でしょう?答えはもう地図内に書き込まれていますが・・・
 「ciampagu」、要するにジパングですね。今日び日本人なら小学生でもこんなアバウトでかわいらしい日本図は描かないと思いますが、16世紀イタリア人の「黄金の国」はこういうイメージだった(絵ハガキの解説によると、「単独の日本地図として最初に印刷されたもの」とのこと)。日本を、南北ではなく、東西に長い姿で描くのは最初期ではちょっと珍しいと思います。それから、都(西洋風の城郭になっています)の位置がだいぶ西に偏っていて、京都を表しているのでしょうか。しかし、海に面していますね。

 胃薬「胃活」の引札。これで私もお金たまるかしら・・・w
 枝と幹は文字になっていて、すべて語尾に「木」(き)がある語呂合わせ。江戸時代からよくある図案で、恵比寿や大黒と一緒に描かれることも多いです。紙幣が成っているというのはいかにも近代っぽい。
 枝は上から「あさおき」「かせき」(稼ぎ、かな)「いさぎよき」「ついへのなき」(費えのなき、かな)「しんぼうよき」「ようぜうよき」(養生よき)「ゆだんなき」「かないむつまじき」。幹の部分は下から上に「しやうぢき」(正直)「じひふかき」「よろづほどのよき」と伸びていっています。これらを実践すれば利益があがるという商売繁盛の教訓のような文言になっています。
 てっぺんのおじさんが手にしているのは明治40年の暦です。