極小鉛筆

 部屋を片付けていたら、かわいらしい鉛筆が!

わが国に渡来した初めての鉛筆は、徳川家康所持と称せられて、駿州久能山東照宮宝物として保存されてあるものである。当時オランダ貿易の際、時計、薬品など珍奇なものとともに、高価なる器玩の一種として献上されたものと考えられる。その形状は、イギリスにおける最初の製作品と同じくグラファイトは細長く棒状のもので、柄は木鞘である。わが国で初めて鉛筆を製作したのは、明治維新以後である。

(田中経人『文具の歴史』157頁)