せっかくなので晒した本を紹介(2)

 せっかくなので晒した本を紹介(1) - Cask Strength の続き。

松浦崇編『嵆康集“詩”索引』

 「“文章”索引」は昨日紹介しました。本書の底本は「“文章”索引」とは異なって、魯迅校『嵆康集』なのでご注意を(巻末に影印あり)。
 どうでもいいことですけど、総画検字表の8〜9頁は十二画〜十五画、10〜11頁は九画〜十二画になっていて錯簡が生じています。

藤沢隆浩『杜審言詩一字索引』

 底本は全唐詩(巻末に影印あり)。なので、寒泉等のツールがある今日では使う機会もほとんどなくなりましたが、漢字の排列が音の五十音順になっているのが特徴です。日本人にとってはすごく引きやすいw

富永一登『文選李善注引書索引』

 底本は胡刻本。なお、371〜391頁は小尾郊一・富永一登・衣川賢次『文選李善注引書攷証』上・下の補正表となっているので、『文選李善注引書攷証』を利用する際には本書の補正表のことを思い出してください。

『遊仙窟索引(漢字並古訓)』

 漢字索引の底本は汪辟疆校録本、訓索引の底本は慶安五年刊本、というおもしろいつくり。ともに巻末に影印あり。慶安板本は先日のhttp://www.kokugakuin.ac.jp/event/ken06_240601.htmlで展示されていたものだと思われます。

『芸文志二十種綜合引得』

 二十種の内訳は、漢書芸文志・後漢芸文志・三国芸文志・補晋書芸文志・隋書経籍志・旧唐書経籍志・新唐書芸文志・補五代史芸文志・宋史芸文志・宋史芸文志補・補遼金元芸文志・補三史芸文志・補元史芸文志・明史芸文志・清史稿芸文志・禁書総目・全燬書目・抽燬書目・違碍書目・徴訪明季遺書目、です。御覧の通り、姚振宗『後漢芸文志』以下、正史の目録以外のものも含まれているので至便です。本書で漢籍を検索して出てこなかったら、どうしたものかねぇ、とちょっと考えなければならなくなります。