せっかくなので晒した本を紹介(1)


 以前も似たようなことをしましたが!(「漢風の本棚」解題(1) - Cask Strength 「漢風の本棚」解題(2) - Cask Strength 「漢風の本棚」解題(3) - Cask Strength
 この中でよく利用するのは『文選李善注引書索引』、その次に『遊仙窟索引』『芸文志二十種綜合引得』ですね。というわけで、二回にわけて(右から左に)ごくごく簡単な紹介を。

高橋清編『世説新語索引』

 四部叢刊本をもとにしているので、本書はその役割をほぼ終えたと言っていいと思うのですが、四部叢刊電子版を使うようになるまではお世話になりました(とはいえ、人海戦術で製作されたかの国の電子テキストはあまり信用していないのですけど)。

松浦崇編『嵆康集“文章”索引』

 底本に用いた戴明揚『嵆康集校注』の影印を巻末に付しています。底本となったテキストとの合冊型の索引は非常に便利なので好きです(以下紹介する『陳子昂詩索引』『陸機詩索引』もこの類)。索引自体は詩を除いた散文の部分を検索するようになっていますが、『嵆康集校注』は詩の部分を含めて全文を収録しているので、著作権的にどうなのかはさておき、利用者にとって使い勝手はすごく良い。

安東俊六編『陳子昂詩索引(附陳子昂詩集)』

 底本は徐鵬『陳子昂集』。その巻一・二そして補遺を巻末に付す。

後藤秋正編著『陸機詩索引』

 底本は赫立権『陸士衡詩注』。例によって巻末に影印あり。

山田英雄編『鮑参軍集索引』

 あの山田兄弟のお一人とは同名別人の方です。底本は銭仲聯増補集説校『鮑参軍集注』。正誤表がありまして、図書館蔵本では紛失している場合もあろうかと思うのでアップしておきますね。

 今回ご紹介した索引全てに共通するのは、索引本編は手書きだということです。

・・・正直なところ、電算機の時代になんでこんな手作業をするのかと、いささか投げやりになることもしばしばであった。

(『鮑参軍集索引』後記307頁)でも、実際に手作業してみると、より正確ですし、記憶に残りますよね。