『老子王弼注索引』

 棚からひょっこり出てきました。何年も手にとってなかったので、すっかり忘れていた名著。
 CiNii 図書 - 老子王弼注索引
 『老子』本文ではなくて、王弼注の文の索引です。当時、類書はなかった。
 今では電子テクストもいろいろと揃っていて『老子』注文の検索も容易になりましたが、「索引は一種類あれば十分」みたいな顔をしている人のことを私は白眼視しています。索引は、底本が違えば、何種類でもあったほうがいい。
 まあ、かく言う私が本書のことを忘却していたので、自戒の念を強く抱いているところですけど!

底本は『老子道徳真経』二巻 魏王弼注 唐陸徳明音義 宇佐美恵考訂 明和七年五月江戸須原屋平助等刊本を使用した。宇佐美恵の考訂については王弼注に関するものに限り、一覧表にして本文末に掲載した。しかし、本索引の文字の検索についてはこれを考慮に入れなかった。

(凡例)宇佐美恵、号は灊水。徂徠の高弟です。
 この明和刊本『王注老子道徳経』は、善本を広く集めて校讐することなど叶わなかった当時にしては、よくできている本だと思います。『老子王弼注索引』はその明和刊本の王弼注の部分を、漢字索引の後に全文翻刻し(返り点等は省略)、凡例にある通り、本文に続けて「考訂表」を付します。
 『王注老子道徳経』の後印本は普通に見かけますし、『和刻本諸子大成 第九輯』にも収録されているのですが、それでもなかなか目にする機会はなかったという方も多かったでしょう。
 それが今や家にいながらにして閲覧、ダウンロードできるのですから、時代は本当に便利になってきた。
 老子道徳真経. 巻1-2 / 王弼 註 ; 陸徳明 音義 ; 宇恵 考訂