心あらむ人に見せばや
鉢植の物に無雙花といふ花、甚見事成もの也・・・是に次では、みせばや草といふ物見事なり
(『譚海』巻12。国書刊行会、379頁)
ミセバヤがほぼ満開になったよ。心あらむ君に見せばや。
ミセバヤ、とはなんて素敵な名前でしょう。ミセバヤ - Wikipediaに「高野山の法師が詠んだ和歌にちなんでいるといわれている」とあるのは、以下のエピソードからとったもの。
故民部卿入道為村卿かたられしは、今世に見せはやといへるくさ〔鎮火の種〕をうへもてあそふ。これはかの卿の父大納言為久卿の和哥の門弟に、吉野山の法師にてあなるか、奥山にて見侍りしくさとて、和哥をそへて贈りし。そのうたの句に、君にみせばやとの詞あり。これによりて、見せはやとなつけをくよし、為久卿の返事ありしを、たしかにみられけるとなむ。
(『閑窓自語』上巻。日本随筆大成第2期第8巻、296頁)
そして、よく見るとカマキリ君が身を潜めていました。
実はミセバヤの葉はオンブバッタやショウリョウバッタの好物でして、葉を齧っているのをよく見かけます。カマキリ君、そいつらを捕食するためにいるのですね。末永く警護をお願いしたい!