「駐箚」特命全権大使という職名がかっこいい

 「あなたは相手側の小間使いなのではなくて、我々の特命全権大使みたいなものなのだから」云々といったメールを出そうと思い、ふと思い立って検索してみたらこんなことが書いてありました。

また、少々古語ではあるが、日本国外務省では「駐箚」(ちゅうさつ)の語を、今でも用いており、任命の辞令等には「○○駐箚特命全権大使」と記される

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%B9%E5%91%BD%E5%85%A8%E6%A8%A9%E5%A4%A7%E4%BD%BF#.E5.91.BC.E7.A7.B0

 まずそもそも「駐箚」という熟語を知らなかった。かっこいい響きだな。
 『大漢和』は「駐札」「駐紮」「駐箚」をそれぞれ立項していて、「駐在して事務を扱ふ。札は、上の命令を下に伝える公文。従つて、事務処理の意となる」(駐札)「遣外使臣が任地に留つて、其の事務を掌ること。駐箚」(駐紮)「任地にとどまる。主として使臣にいふ。駐札に同じ。箚は札に同じく、上の命令を下に伝へる公文。従つて、事務処理の意となる」(駐箚)とします。挙げられている用例は『元史』『清国行政法汎論』『皇朝文献通考』など近代のものばかり。『漢語大詞典』も宋・岳飛の例を挙げる(「駐箚」)のみですから、古いことばではないのでしょう。
 こういうときは『中国歴史公文書読解辞典』を使えばいいのかな。残念ながら持っていません。四年も前に「本棚メモ」で言及したのに・・・

中国歴史公文書読解辞典

中国歴史公文書読解辞典

 「朝鮮駐箚軍」など、近現代史の分野ではよく出てくるようなので不勉強というのは恥ずかしいものですね。
 今度から海外赴任する友人に言ってみようかな、「このたび駐箚の任にあたるに際し・・・」云々と。