冠名「モエレ」

競馬を継続して観戦していると、似たような名前を持つ馬が走っていることに気づくと思います。例えば「サクラ」を含む馬とか。「サクラローレル」「サクラセンチュリー」「サクラバクシンオー」「サクラプレジデント」……。あるいは、「トウカイ」もそうですな。「トウカイテイオー」「トウカイオーザ」「トウカイアロー」……。
これは「冠名」(かんめい)と呼ばれ、馬主が自分の所有馬につける「商標登録」みたいな機能を持ちます。「サクラ……」という馬を見かけたら、その馬は「(株)さくらコマース」の所有馬ですし、「トウカイ……」の場合は内村正則氏の所有馬だと、一目でわかる仕組みになっているるわけです。
冠名制度は日本固有だと思うのですが、日本登録馬の馬名は9文字までと定められているので、冠名を使用した場合、どうしても使える残り文字数が減ってしまい、馬の個性が減殺されるという批判もありますが、いかがでしょうか。
モエレエスポワール」や「モエレアドミラル」の「モエレ」もまた冠名でして、中村和夫オーナーの持ち馬なのですが、この由来を先日訊かれました。冠名の由来などの情報については、以下のサイトが役に立ちます。

冠号事典

地名、ということで一件落着なのですが、北海道の地名ということであれば当然アイヌ語であろうと思いまして、調べてみました。

服部四郎編『アイヌ語方言辞典』(岩波書店 1964年)

によると、アイヌ語(八雲方言)で、「moyre」(モイレ) *1 とは「静かな(quiet, calm)」という意味だそうです。「風がなくて静かだ」という文をローマ字表記で書くと、「rera 'isam wa sir moyre」、と。耳に優しい素敵な言い回しですね。
「燃えれ!」とか、「萌え」とかとは関係ありませんw


全然関係ないですけど、いま「トリビアの泉」で加藤ローサが出てます。

*1:「モエレ」はこの「モイレ」の訛