Dogwood(ハナミズキ)

一青窈による同名の歌のおかげで広く認知されるようになったと思われ。
明治末年、東京市(当時の市長は尾崎行雄)がソメイヨシノの苗一千株、八重桜・香桜の十種二千株をアメリカに寄贈 *1 、その返礼として、まず大正四(1915)年にハナミズキが、その翌年にベニバナハナミズキが、さらに大正七年にカルミアが東京にもたらされました。桜もハナミズキも、両国の国花というべき、品格と美しさを備えた樹ですね。最高の贈り物を交換することで日米親善に尽力した先人の努力を思うと、今でも目頭が少し熱くなります。
ブッシュが日本の国会で演説した際に、「日米間には100年の友好の歴史がある」みたいな発言をして、「おいおい、太平洋戦争はどうなったんだ?」といった指摘が一部でありましたが、そういう浅知恵で物を言う前に、Potomac 沿いに群生する桜や、日比谷公園小石川植物園ハナミズキでも見たほうがいい。
ついでに言うと、上野公園にはグラント将軍(第18代大統領)の植樹したギョクランとヒノキがあり、ニューヨークにあるグラントの墓の向かい側には桜の公園があって、これもまた名所です。
ワシントンD.C.では毎年、The National Cherry Blossom Festival が盛大に行なわれていますが、日本では「ハナミズキ祭り」は聞きませんね。せめて、東京都は開催してもらいたい、と思う。

*1:その前に送った苗木は、検疫上の理由で、米国上陸は果たせなかった