江戸の歌枕

 近世に詠まれた歌枕ってどうやって調べればいいのかなぁ、と昨日思うところがあったのですが、鈴木健一氏がちゃんと説明してくれていました。

 近世和歌全体を考える場合には、大きな影響を及ぼした有賀長伯の『歌枕秋の寝覚』(元禄五刊)を繙くべきであろう。

 門人の欲賀光清が増補した『増補歌枕秋の寝覚』(正徳四年)もあるようですね。これは欲しいな・・・どなたか翻刻か注釈を出してくれませんか。

 また、近世に入って新たな歌枕として台頭してきた江戸周辺の地名については、戸田茂睡『紫の一本』(『戸田茂睡全集』国書刊行会刊に翻刻あり)や『江戸名所和歌集』などが参考になる。

 『紫の一本』は新編日本古典文学全集『近世随想集』に収録されたもの*1を、また、蜂屋光世『江戸名所和歌集』は太平文庫に翻刻されたものを持っていますが、楽しい本です。江戸に関心がある方にオススメ。

*1:現代語訳と注釈がついて断然読みやすくなりましたが、索引が欲しいですね。