「六十四卦フォント」

「六十四卦フォント(64ke Font)」は、古代中国の占い書『易経』の“卦”を表現できるTrueType形式のフォント。Windows 95/98/Me/2000/XPに対応するフリーソフトで、編集部にてWindows 7でも動作を確認した。現在、作者のWebサイトからダウンロードできる。

http://www.forest.impress.co.jp/docs/review/20110307_430628.html

 これ今までなかったのかと思ったら、☰☷☳☴☵☲☶☱、そうか、「八卦」の部分しか実装されていなかったのですね。文字鏡にはあったかな?
 いずれにせよ私は実際にはあまり活用することはないでしょうけど、今後必要になったときのために覚えておこう。
 私が『易』に関心を持ったのは、中学か高校の時に読んだSFの古典的名作『高い城の男』がきっかけなので、長いこと愛読しているということになります。

高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568)

高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568)

 いずれオススメの『易』の注釈書等を紹介することがあるでしょうから詳細は後日に譲りますが、新釈漢文大系『易経』の下巻が刊行された時は感慨深いものがありました。
易経 下 新釈漢文大系 (63)

易経 下 新釈漢文大系 (63)

 本来、新釈漢文大系『易経』は三冊構成、つまり上・中が『易』本体で、下巻が今井宇三郎氏による「易学八論」という予定だったのですが、中巻の刊行時点で「予定の稿量を遥かに超えたので・・・繋辞伝以下は下巻に入れることとした」(『易経 中』、1367頁)と変更され、さらに著者今井氏の逝去(2004年11月)によって完成が危ぶまれる事態に。しかし、堀池信夫氏・間嶋潤一氏の御尽力によって、なんとか『易』本文の注釈の部分は完結したのです。それにしても、今井氏が構想していたという「易学八論」はどのような内容だったのでしょうか。

「易学八論」は、唐の孔穎達が『周易正義(周易注疏)』の「序」において「易八論」を著しているひそみに倣った構想である。その点においても、この『易経』について今井が抱いていた企図がいかに巨大なものであったかがうかがわれる。その内容はおそらく、『周易正義』に対して、朱子の易学を中心に八つの論説を組み立てるものであったと思われる。今、想像できることは、上中巻においてあまり触れることのなかった朱子の筮法、朱子理気論、そして朱子易学の後世展開、宋易の道教への展開等々によって構成されるものになったのではないかということだけである。

(『易経 下』1886頁)